#7日本人とカラス

 

こんにちは、日本語教師のさとみ先生です。

 

 
「日本のこと、ゆっくりトーク-Slow Japanese Talksというポッドキャストを配信しています。
日本の文化、生活、考え方について、日本語でゆっくりお話ししているので、ぜひ聞いてくださいね。

このブログでは、ポッドキャストの日本語スクリプトと英語訳と、単語の意味を公開しています。 

日本語を聞く練習をしながら、日本の事も楽しく学びましょう。

 日本はやっと秋らしくなりました。
 秋には綺麗な夕焼け空と、民家の庭の柿の木の柿の実、そして、カラスが鳴いて山に帰って行く風景が目に浮かびます。
 遊び疲れた子供たちが、それを見て「カラスなぜ鳴くの~」と歌いながら家に帰る姿も、日本の夕方の代表的な田舎の風景です。

さて、今日のテーマは#7「日本人とカラス」です。 

日本語スクリプト(ふりがな付き)

昔(むかし)からカラスは、日本人(にほんじん)のとても身近(みぢか)にいる鳥(とり)です。
夕方(ゆうがた)になると、カラスが鳴(な)きながら山(やま)の巣(す)に帰(かえ)っていきます。
これは、日本(にほん)の夕暮(ゆうぐ)れを代表(だいひょう)する風景(ふうけい)です。

特(とく)に秋(あき)は、空(そら)には綺麗(きれい)な夕焼(ゆうや)けが広(ひろ)がって、村(むら)には柿(かき)の木(き)に柿(かき)がなっていて、カラスが飛(と)んでいる風景(ふうけい)が目(め)に浮(う)かびます。
懐(なつ)かしい田舎(いなか)の風景(ふうけい)です。

子(こ)どもの歌(うた)には「七(なな)つの子(こ)」という童謡(どうよう)があって、
「カラス、なぜ鳴(な)くの? カラスは山(やま)に、可愛(かわい)い七(なな)つの子(こ)があるからよ」
と歌(うた)っています。

カラスには可愛(かわい)い子(こ)がいるんだなあと、ほのぼのとした気持(きも)ちになりました。

朝(あさ)、日(ひ)が昇(のぼ)るころには、カラスは一斉(いっせい)に鳴(な)き始(はじ)めます。
朝(あさ)ご飯(はん)を探(さが)して、飛(と)び回(まわ)っているのでしょうか?

昼間(ひるま)は、ときどきユニークな声(こえ)で鳴(な)いています。
何(なに)かを話(はな)しているのかもしれませんね。

カラスそれぞれに特(とく)徴(ちょう)のある声(こえ)があって、鳴(な)き方(かた)もいろいろです。
しようと思(おも)ったら、カラスの声(こえ)で個体(こたい)の判別(はんべつ)ができると思(おも)いますよ。

さて、カラスはいつも必(かなら)ず近(ちか)くにいて、鳴(な)き声(ごえ)もよく聞(き)こえます。
でも、日(に)本人(ほんじん)はカラスがあまり好(す)きではないようです。

理由(りゆう)は…そう、カラスがわたしたちのゴミ袋(ぶくろ)を狙(ねら)っているからです!
住(じゅう)宅(たく)街(がい)のゴミ収集所(しゅうしゅうじょ)は、カラスと人間(にんげん)の戦(たたか)いの場(ば)です。

生(なま)ごみの入(はい)ったゴミ袋(ぶくろ)が少(すこ)しでもそのまま置(お)かれていると、
カラスがすぐに集(あつ)まってきて、中身(なかみ)をあたり一面(いちめん)に散(ち)らかしてしまいます。

カラスが食(く)い散(ち)らかしたあとは、本当(ほんとう)に悲惨(ひさん)な状況(じょうきょう)です。

だから日本人(にほんじん)は、ゴミ袋(ぶくろ)をカラスに破(やぶ)られないように、いろいろ工夫(くふう)してきました。

最初(さいしょ)は、ゴミ袋(ぶくろ)にネットをかぶせていました。
でも、カラスはとても賢(かしこ)いので、ネットの隙間(すきま)からつついて散(ち)らかすようになりました。

そこで最近(さいきん)は、折(お)りたたみ式(しき)の網(あみ)かごが設置(せっち)されるようになりました。
この網(あみ)かごのおかげで、生(なま)ごみはほぼ安全(あんぜん)です。

ただ、ルールを守(まも)らず、夜(よる)のうちにそっとゴミ袋(ぶくろ)を置(お)いていく人(ひと)がいます。
もちろん、網(あみ)かごには入(い)れていません。

そんなゴミをカラスは高(たか)いところから見(み)つけて、すぐ狙(ねら)います。
だから、わたしたち人間(にんげん)ががんばって生(なま)ごみをカラスから守(まも)るしかないんです。

この、日本人(にほんじん)とカラスの戦(たたか)いは、まだまだ続(つづ)いていきそうですね。


英語訳(English Translation

Since long ago, crows have been very familiar birds to Japanese people.
In the evening, crows cry as they return to their nests in the mountains.
This is a typical scene of the Japanese twilight.

Especially in autumn, the sky is filled with a beautiful sunset, persimmon trees in the village bear fruit, and crows are flying. Such a scene easily comes to mind.
It is a nostalgic countryside landscape.

In children’s songs, there is a nursery rhyme called “Nanatsu no Ko” (Seven Children),
which goes:
“Why do crows cry? Because they have seven cute children in the mountains.”

Hearing that, one feels a warm, gentle feeling, imagining that crows have adorable children.

In the morning, when the sun rises, crows begin to caw all at once.
Perhaps they are flying around looking for breakfast?

During the day, they sometimes make unique calls.
Maybe they are talking about something.

Each crow has a distinctive voice, and their calls vary.
If one tried, I think it would be possible to identify individual crows by their voices.

Crows are always nearby, and their cries are easy to hear.
However, Japanese people don’t seem to like crows very much.

The reason is… yes, because crows target our garbage bags!
Garbage collection point in residential areas are battlegrounds between humans and crows.

If even a single garbage bag containing food scraps is left unprotected,
crows quickly gather and scatter the contents everywhere.

The scene after crows have torn apart garbage is truly disastrous.

That is why Japanese people have devised many ways to protect garbage bags from being ripped open by crows.

At first, they covered garbage bags with nets.
But crows are very clever, and they learned to peck through the gaps in the net.

So recently, foldable wire cages have been installed.
Thanks to these cages, food waste is now almost safe.

However, some people break the rules and secretly put out garbage bags at night,
of course without putting them into the cage.

From above, crows spot such garbage quickly and attack it.
So, we humans must work hard to protect food waste from crows.

It seems this battle between Japanese people and crows will continue for some time.


単語の意味(Vocabulary

  • カラス: crow

  • 夕暮れ(ゆうぐれ): evening twilight

  • 夕焼け(ゆうやけ): sunset glow

  • 柿(かき): persimmon

  • 童謡(どうよう): nursery rhyme, children’s song

  • 一斉(いっせい)に: all at once, simultaneously

  • 特徴(とくちょう): characteristic, feature

  • 個体(こたい): individual (animal, person, etc.)

  • 判別(はんべつ): identification, distinction

  • ごみ収集所(しゅうしゅうじょ): garbage collection point

  • 生ごみ(なまごみ): raw garbage, food waste

  • 散らかす(ちらかす): to scatter, mess up

  • 悲惨(ひさん): miserable, disastrous

  • 工夫(くふう): device, ingenuity, idea

  • 折りたたみ式(しき): foldable type

  • 設置(せっち): installation

  • 網かご(あみかご): wire basket, mesh cage


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